この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

それと似ています。けれど私のそれは遠足に行く喜びのためではなく、 像しての不安・興奮であったのです。 日母の総会にはすで に幾度となく出席している私ですが、これまでこの種の提案など一度もされた ことがありませんし、この突拍子もない働きかけが会員諸先生方の関心を呼ぶものかどうか、大いに 不安でした 。 ましてやいまだかつてこのような大それたお願いをした経験を持ったことのない素人の 私ですから、まったく自信はあり せんでした 。 もし、否決されたらどうしよう•…••もし そうなっ てしまったら、もうこれから見通しはまったくあ りません。一介の田舎医者に過 ぎな い、私が、鹿児島県の小都市の中で一人もがいていても、その結 果は目に見えています。 「こ こで 、ど うしても会の皆さんの力を借りねばならない。みんなの力を、組織の力を結集しなけ れば悲願は達成できないのだ 」。そ う思いつめればつめるほど、失敗したとき 挫折感 ・恐怖 感に襲 われるだけでした。しかし"案ずるより産むが易 "ということわざがあります。そして実際に結果 はそのとおりになったのです。 私がおずおずと埴上にのぼり、先に配布し 。ハソフレットの趣旨を説明し、この運動をぜひとも会 の力で盛り上げていただきたい、と訴えたと ろ、まった<予期しなかった万雷の拍手が湧き起こり、 満場一致、あっという間に私の願いは決議されました。 「もし……」という場面を想 74

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