この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

『おぎゃー献金』運動が存続するか否かは、ひとえに運動の中心となるお医者さんにかかっています。 この先生方が熱意をもって事に当たってくだされば、運動は永遠に、そしてさらに大きく充実したも のになります。 医の分野でのほんの少々の先輩として特にお若いお医者さん方にお願いがあります。それは先輩の 先生方が実行されてきた、この運動をぜひとも引き継いでいただきたいということです。たとえ開業 なさろうと、勤務医になられようと、運動をその職場でぜひ実践していただきたいの もちろん一円 報酬にもつながりませんし、ただ負担が増すだけのことであるのは事実ですが、運 動の根底に横たわるものをご理解いただき、その存続に力を貸してほしいのです。こんなことをいい ますと、若いお医者さんからお叱りを受けるかもしれません。それを覚悟の上でいうのですが 、 ここ しばらく前から、医師の使命観の低下 や倫理の低迷が 、とかくの話題になっています。マスコミや患 者の側からは、医療のあり方についての疑問が相次いでいるといって よいでしょう。 「医は仁術でなく算術だ」という指摘は同じ医師としての私からみても心中おだやかならざるもの がありますが、実際そういわれても仕方のない人もいないとはいえないのがまた現実でもあります。 われわれ医師は、仲間に したほんのひ にぎり 不心得者がいるという事実を直視し、これを自 戒、反省に結びつけることが必要ではないでしょうか。医の原点とは、 うまでもなく人間愛から出 発するものです。そこから医師と患者の信頼関係も生まれ、もっとも理想的な医療が展開される下地 198

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