この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

ではない 9 」とかえってどなられたというのです。「馬鹿な子ほど可愛い 、 とか体の不自由な子ほど いとしいと うのも 、 果たしてどうでしょうか。少なくとも親によってはそうでないという場合もあ るようです……」 、 園長さんはそうさみしげにつぶやいていました。 他の施設での話でも 、 「どうにもなっかないから可愛くない」という親がいたそうです。職員には あれほどなついているのに 、 どうして実の親の私たちにはああなのだろう·…••というわけです。しか し当の職員にいわせれば「要するにめったに会いにこないので親を忘れただけです。他の親ごさんみ たいに 、 ちゃんと会いにきて遊んでやればこんなことはないのに」ということなのです。 これは一体、何を意味する でしょうか。私にいわせれば、それは「愛情の深さの問題」です。本 当の我が子であれば何をおいても会 にこなければならないのに来 というのは 、 いかに多忙であ ろうとなかろうと 、 愛情うすいことを指摘せざるを得ないからです。もっと極端になると「世間体が 悪いし、兄妹の結婚にも差し障りがあるから」除籍してそ くり施設で引きとってもらえないだろう か 、 という親もいたそうです。 また十年このかた一度も面会にこず、やってきたのは我が子が死んだお葬式の日だったという親も いました。もちろん自宅で葬式を出すはずもなく、すべては施設でとり行なわれたのです。そして最 後に遺骨を両親に渡す段になってハプニングが起こりました 。 一人ぼっちのその子を人一倍目をかけ 、 かわいがっていた看護婦さんが遺骨を先方に渡さない / . と言いはったからです。 18

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