この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
本書の冒頭でもご紹介しましたように 、「 三 姉 妹 」 のお母さん は、小 柄な 、 どこにもいるような女 性です。その人が一二人の娘を抱えて愚痴一っこぽさず 、 ただひたすら黙々と 、 そして明る<生き抜い ている姿は 、 障害児を持つあらゆるお母さんの手本といっても過言ではないでし ょ う。こうなるまで には 、 このお母さんにしても死ぬほどの苦しみ 、 悩みが必ずやあったはずです。ときには床に つ っぷ し 、 明け方まで泣き明かしたこともあるにちがいありません。 しかし 、 私がお会いした日から今日まで 、 このお母さんからは 、 そのような内面の苦しみはみじん も感じられないのです。感じられるのは、ただ明る<強いということだけです。あまりに明るくさわ やかなので 、 私は思いきってある日 、 たずねてみたことがありました。するとお母さんは 、 んだ子ですから…・:」と短い言葉をつぶやきました。ただそれだけの理由で今日までひたすら生きっ づけてきたこの母 、 なんという強く 、 大きな母で し ょう。この愛こそ、何にもまさる力であり 、 支え であったのです 。 父親もまたその点大いに称賛に値すべき人物です。い ろ いろトラプルもありまし た が 、 それもみな 、 つきつめれば―二人の娘と自分たち家族が生きてゆくため 必死の闘いの結果でもありました。 何よりも、逃げ腰になることなく、現実に踏みとどまって家族のために一所懸命働いてきたこと 、 これは父親の大きな偉さです。障害児を持つお父さん 、 お母さん、そして兄妹たち 、 ぜひ と もこの三 て もらえるだろうと思ったからです。 「私 が生 186
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