この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
しかし「本音と建前」などといっていたのでは何年、いや何十年待っても問題は解決しません。本 音も建前もなく、真に差別がなくなる日が来なければ、障害児 ・ 者たちにも本当の明るい日は訪れな いのです。 まず第一に成さねばならないことは、親ごさんが我が子に向かって誤った先入観を植えつけるよう な差別教育を施さないことです。純粋な子どもたちに、大人のつくり上げたみにくい観念を植えつけ ないでもらいたいのです 。そして体の不自由な人や困った人をみつけたら 、走って行ってすぐに手を 貸してあげる勇気を植えつけていただきたいのです。 障害者は社会の厄介者ではなくて、自分たちと同じ構成員の一人なのだという正し 認識をしっか しょう。 しかし 、 「いいえ I. 」といった人でも、実際にはそれが建前であって、本音は「はい」であること も少なからずあるものです。たとえば人種差別などもその―つです。 アメリカでは ばしば合衆国憲法や州条例などを発動して差別の撤廃を叫んでいますが 、 いまだに 黒人やプエルトリコ 、またイ タリア 系などに対する根強い差別はなくなりません 。 日頃、黒人に深 い理解を示し 、 人種差別撤廃を声高らかに叫んでいる良心的と評判のある上院議員氏が「もしあなた の娘さんが黒人と結婚するといい出したら……」と聞かれ、「う 1 ん」と絶句したというニピソード がありますが、これ どはいかに本音と建前の間にギャップがあるかという現実を如実に示すもので 180
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