この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

て述べてきましたが 、 I f はじめに 1 1 の中で「おたふく頭」の異常児にも触れましたので、全く専門外 のことになりますが、この異常についても感じるところを少し述べてみたいと思います。 先天異常児の発生原因は先天性と後天性とに大別されますが、ここでは主として先天性、即ち生ま れつきの異常について述べてみます。外表のものであざのような小奇形から、無脳児、脊椎裂やシャ ム形重複奇形のような大奇形まで、 た外形は正常でありながら内臓に奇形を有するものまでもあり ます。 このような先天異常の発生は、単に奇形と呼ばれる簡単な形態の異常から、いわゆる心身の機能障 害まで含めると、世界中で三十秒に一人、我が国内においても三十分に一人の割合で生まれるといわ れてい す。また生まれた直後は目立たなかったのが、子どもの成長に連れてはっきりしてくるこ もあるので、学童期における異常児は、世界中に約二億人、わが国内にも六百万人がいるものと推定 する学者もあります。 さらに注目すべきことは、これら異常児は早期死亡が多く、国内においても、乳児死亡の原因の第 三位を占めていますので、医学上はもちろんのこと、人口問題としても重大な意味を持っています。 昔から「かたわ」といいます 「親 の因果が子に報い」などと好奇の目で見られがちですが、そ の ように純粋に遺伝子によ ものは、一 0 %に過ぎません。その他、受胎後母体に加えられた影響(環 境因子) よるものが一 0 %と説明されていますから、残りの八 0 %は遺伝的な素質に環境因子が相 162

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