この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

新生児黄疸に対する交換輸血が行なわれることは、当時に比べぐっと減少しています。光線療法や薬 物療法(フェノパルビ タ ール)などによ っ てこの重症黄疸の発生が防止されているのが、現状です 。 このことはかつて患者に過大の恐怖心を抱かせ、 O 型女性との結婚に対しても支障をきたしたとい う笑えぬ話もあったようです 。ある大学の調べに よりますと、 O 型ママから生まれて くる 不適合児の 新生児溶血性疾患の羅患率は O ・ O 六%に過ぎないとさえいわれています。 あの「三姉妹」も、症例に記載したように、母が O 型 Rh 因子(ブラス)、父は A 型 Rh 因子(プ ラス)であり、生まれた四人の子どもが同じ A 型 Rh 因子(プラス)であって、明らかに O 型ママか ら生まれた AB0 血液型不適合児と認められます。 それなのに、新生児溶血性疾患のような重症の黄疸の出現もなく、核黄疸による脳障害と診断し得 る症状は、微塵もありません。「三姉妹」がすべて生理的黄疸の程度に過ぎなかったことは、オレソ ジ学園園長松下博士の問診にも明らかであり、私も両親にこのことを強く問診しましたが 同じよう な答えしかかえってきませんでした 当時は助産婦の介助による自宅分娩でしたので 新生児に対する医学常識から推測して、胎児状況 を詳細にキャッチすることが困難であったにしても、高度 イニローベビーでなかったことは、両親 も強調していました。 つぎに理解し難いことは、長男も A 型 であっ て、当然不適合であるにもかかわらず、健康体で発育 154

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