この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
に出生後 七 日間に発生します。この こ とは今では 一 般常識 化して おり 、 赤ちゃんの黄疸色が強いとき 、 母親は心配して医者や看護婦にその病状をよく訴えます。 この重症黄疸の大半は、 Rh 因子不適合や AB0 血液型不適合がその原因です。特に、 Rh 因子不 適合の場合は、新生児溶血性疾患が特有であるのみでなく、胎児の重症貧血による低酸素状態や 、 そ れによる胎児水腫という重症状を併発し 、と きには子宮内胎 児死亡や、新生児の高い死亡率が報告さ れています。この子宮内死亡を救うために、直接胎児内の赤ちゃんに輸血をする治療法が四十年ごろ から行なわれています。 しかし幸いなことに、 Rh 因子の陰性率は白人は一五%ですが、日本人は一 20 • 五%しかありま せんので、 Rh 因子不適合は 、 わが国では非常に少ないのです。従って母児間 A B0 血 液型不適合の 頻度は日本人が二六 ・ ニ三%なのに対し、白人は二五 ・ O %。 一方 Rh 因子不適合頻度は日本人 0 . 五%に対し 、 白人は一三 . 0 %と大きな開きがあります。 Rh 因子母児間血液不適合は、抗原である D 因子があるかないか、すなわち母体が Rh 因子マイナ スの場合のみ問題が惹起されます。このことは医学的にも解明されています。 しかし、 AB0 血液型不適合の際に併発する新生児溶血性疾患は 、血 液型が四種類もあることから 学問的にもいろいろ論議されており、満足な解明がなされていません。またこれに対する血清学的診 断決定も困難なようです。そうかといってこの AB0 血液型不適合による新生児溶血性疾患を完全に 150
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