この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
先天異常児ならびに障害児の発生予防の検索は、遺伝学や疫学関係の一部学者の研究範囲を出ず、 臨床的解決の見通しは、いまなお立っていないように思われます。しかるに、最近、遺伝子 の担い 手である染色体が、先天異常と極めて密接な関係にあることが明らかになり、染色体の研究は驚異 的進歩を遂げつつあります。特にイ ギリスのケンプリッジ大学のエ ドワード博士は、試験管の中で、 卵子の分割 胞胚期の段階 で、進 める ことに成功したと報じております。 これは、とりもなおさず生きた細胞の培養に成功した証拠です 。本邦においても 、羊水内におけ る細胞の培養が報ぜられています。 梅毒の診断は、われわれが患者から採血し、その血清の検査を一定 査所に依頼することによ って、そ の結果が簡単に 判明します。このことと同様に、妊娠中 の子宮を穿刺して得た羊水を 一定 の培養器に密封し、それを特定の検査所に依頼すること よって生きた染色体の検索がなされるな らば、母体の胎内において異常児を発見することが可能になると思われます。 さらに電子医学によって子宮内の胎盤の付着部位が明確となり 、胎児 に危険を与えることなく 、 安全に羊水の採取が可能となり、ワッセルマソ梅毒反応 同様に 手軽に臨床医が診断できるよう になりましょう。これ 比較的妊娠早期に実施されますと、異常児の発生予防対策に大きく寄与す ることになります 一方、重症心身障害児の大半を占めている脳性麻痺の原因にしても、未熟児や産科的要因を除外 14
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