この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
こから始まり、ここに生命の偉大さと諄さを実感するものであります。そしてそこに―つの人生が始 まるのです。この真実を前提として父となり母となる全国の 、 否、世界の各国の人々が、家庭生活を 営み生きることでありましょう。生命の生まれいずる瞬間、父母は叫ぶでありましょう。わが子は五 体満足なりやー __o 私の 妻も昨年 十一月二十日無事女児 を出産しまし た 。妊娠六か月のある日 、下 半身打撲と筋膜離断 により約一か月入院しました。それから半年、私たちは精神的苦痛を負いながら、とにかく五体満足 で元気な子であることを朝な夕な念じていました。おかげ まで、産室で元気な産声を聞いて安堵 それから現在まで百日目を無事経過し成長しております。 現代は、あまりにも索漠としています。 正常 な五体満足な私でさえ、朝夕の殺人的ラッツ ュアワー、交通戦争を身を持って体験し、骨身を 削られているのが実情で あります。私は 、 国鉄阪和線を利用して通勤していますが、同じ線を身体障 害児が通学しているのを見て、何と、こういう児童の多いことかと心を痛めております。現代の自由 奔放なる巷に、その自由を失い、不自由な体を引きずりながら、生きている身体障害児の苦闘を毎日、 目のあたりに見ているのです。 人それ ぞれ宿命を背負って生きて いると言えば、それまでですが、私はわが子に恵まれた瞬間、痛 切に喜 び と悩みを実感したのです。 12
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