この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

われわれの運動に賛同する芸能人もふえており 、 現在百箱の献金箱がいろいろな芸能人の手で全国 各地にくばられています。私も七月初めハワイに渡ったが、ここにも献金箱を置いてきた 。こう して 集まったカネは、施設を造る一助にしてもらうほか、身障者救済の PR 映画をつくり、さらに多くの 共鳴者をつくっていきたい。たとえ売名行為だとカゲロをた かれてもやる。 政府のしりをたたこう 「拝啓総理大臣殿」とい う題で私が害いた文章が 、世の反 瑯芦を呼んだようだが 、 実際にはいくら苦 し くても声をあげて訴えることができない人が非常 多い。ほんとうは 、こうした人 道的問題は 、大 衆がだまっていても、政府が取り上げて対策を立 るのが本筋だが 、 日本の場合、こうしたことを望 むのは「百年河清を待っ」もので、社会のすみずみから反署を起こし、政府のしりをた くより外は ない。 私にも体 の不自由な子がいる。その子の治療毀として月に五 十万円を出したこと がある。幸い私は いま原稿が売れ、恵まれた生活をしている ので 、こうしたこと もできたが 、 ふつうの状態ではとても むずかしいことだ とくに 、 こうした身体障害児は投しい家庭の子どもに多いので問題は深い。こう した現実に目をつぶっている歴代の厚生大臣は、アホだといっても過言ではないだろう。 作家水上勉 16

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