この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

日本の南端鹿児島から起こった善意の運動『おぎゃ ー 献金』は全国的な共感を呼び 、 半から東京の東大病院分院で「おぎゃー献金全国運動発足の集い」が開かれた。 こ の日、鹿児島からこの運動の発案者である大口市の遠矢善栄医師及び運動を軌道に乗せた日母鹿 児島県支部長の土橋英夫医師が上京、これまでの経過を報告、「末長い運動として発足したい」 と 希 望を述 べ た 。 また全国の母親を代表して 、 ことしの三月、長男道夫ち ゃ んを生んだ元宝塚ス タ ー寿 美 花代さん (映画俳優、高島忠夫氏夫人)が 、 おぎゃー献金第一号として壇上に設けられた献金箱に母の祈りを こめたお 金を 入れた ほ か、東大病院で最近出産した五人の母親たちが会場にかけつけて献金した。 鹿児島 ではすでに 四月から県下二百三十人の産婦人科医に呼びかけ、七万八千円のお金が寄せられ ているが 、 これから全国的に募金が始まる。小林厚生大臣もこの運動には乗り気で、八日には全国助 産婦会や母子保健センター協会の代表と会い、協力を求めるという。さらに新しく財団法人化し、永 久的 な組織として 財界 あ たりからも大口の寄付をもらおうという動きもあり 、 また全国各地に支店を 持つ地方銀行協会に属する 六 十四の銀行も手数料抜きで取り扱うという好意をみせ 、 善意が善意を呼 1 1 母の愛 “誓 い、東京で初めて集い 一日午後 二 時 (「 南日本新聞」昭和 3 9 年 7月2 日 ) 104

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz