この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
「この幸せを心身障害児にも」と、丈夫な赤ちゃんを生んだお母さんたちに、喜びの献金を呼びか ける運動が始まる。 とかく暗い谷間に置き去りにされがちな心身障害児たち。この子にあたたかい手をさしのべようと、 この幸せを心身障害児にも ーー' 喜びの献金運動 (「朝日新聞」昭和 3 9 年 6 月 2 9 日) 師が提案、会員の病院でさっそく実施することを決めていたもの 。献金は 初め十円以上となっている が、いざ実施したところ百円献金の人が多いという 。県 下の産婦人科には 。ヒンクのかわいい 封筒が備 えつけられており、出産があると「はい I . おぎゃ ー献 金」と看護 さんが、喜びの母親と医師のと ころへ持 っていく。 母親 のなかには 千円札も惜しまぬ人もあり、また封筒にカネを入れるのが、なに より楽しみという医師も多い 。 さる二十二日東京で開かれた日本母性保護医協会総会で、同協会鹿児島県支部の土橋英夫医師(鹿 児島市)が、この献金を全国的に実施することを提案したところ、満場一致 で採択された。年に約百 六十万人の赤ちゃんが生まれるため、百円献金の場合、医師と母親とを合わせて年に約三億二千万円 にのぼる計算になる。これを脳性小児麻痺やサリドマイド児など重症心身障害児の治療や収容施設の 建設 、 学術研究野にあてることになった。 102
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