この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語

ブロレスの力道山が死んだ。脳性麻痺三人姉妹に大きなジョックだった。この夏テレビを贈ってく れたやさしい有名人の死というだけでなく、五体が満足にそろった人間の理想像の消滅だった。 「自分の手足や足腰が自由に動かないため 、 リングの上で暴れ回る力道山は、子どもたちにとって 自分たちの身寄りのように思えていたのでしょう。力道山のでるプロレスの時間だけは、子どもたち の目は輝いていた。死んだときいたときは、泣き合って ごはんも食べませんでした」と三人姉妹の 父はいう。 力道山の死にショック (「南日本新聞」昭和 3 8 年12 月 3 0 日) わざわざ鹿児島からきて 、 アソテナなど取りつけた。 「はじめての子が脳性小児麻痺と診断されたときは、世間がまっ暗になったように思った。長男を 除き生まれてくる子どもが次々と同じ不治の病気だとわかったときは 、 神も仏もあるものかと思った。 近ごろサリドマイド禍の子を殺したり、自殺したりする親がいる。親にとって健康な子を持つほど幸 せなことはない。しかし生まれた子が とえ不具だとしても 、 かわいいわが子にかわりはない。人一 倍苦労はしても 、 子どものためだ。私がこのことをある週刊誌に投害した記事が縁で、ありがたい贈 りものをいただいて 、 こんなにうれしいことはない」と三姉妹の父親は感激している。 98

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