この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
ったことですが、障害児問題をとりあげたとたんに読者から抗議が相次いだというのです。その内容 は 、 「なぜあの子たちのことを新聞にのせたのか I . 家族の恥を天下にさらす結果になったではない か、怪しからん 9 」というものでした。 当時としてはこれが一般的な風潮であり感想なのです。新聞に出して天下に恥をさらすのはかわい そうだというわけです。しかし、これは「心身障害児が生まれた原因がその家庭や家系にある」とい う因習をも にした感想なの あって、まった<的を射た言葉ではありません。こういうことをいう こと自体が差別なのだという を、当時の人は気づいていなかったのです。 障害は家庭や家系とは何も関わりもないのであって、それを容認して差別を続けていることこそ誤 たとえばこんなこともありました。 が 、「 これまで心身障害児問題をマスコミがとりあげるのはタプー視されていたんですよ」と耳打ち されたことからもわかります。つまり心身障害児(者)がいるのは知っていたが 、 あえて知らぬふり をせざるを得な ったというのが本当の姿のようでした。 しかし、マスコミがそうした過去をふり払うかのように、どんどん積極的に不幸な子らをとりあげ てくれるようになったおかげでいろいろなメリットが出てきました。『おぎゃー献金』の PR になっ たのはもちろんのこと 、 心身障害児 ・ 者とその家庭に対して抱いていた偏見や蔑視が一掃 さ れたこと 。 「クプー視されていた」ことを告げてくれたのと同じ記者のい 94
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